4月
08
私たちの“循環する農”の暮らし

このたびの東日本大震災により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、
被災された皆さまに心からお見舞いを申し上げます。

現在、この“牛乳山だより”を担当しています私は、正直 3・11後に
どのような言葉をここに連ねたらよいのだろうか、とても悩んでいました。
刻一刻と変化する状況に、何を想い、どう行動するべきか、答えが見つかりませんでした。

私は、「クリーン・安全・低コスト」と謳う原発は、全てが偽りだと再認識しました。

“自然エネルギーの循環”を基盤に33年前この十勝・新得で農場を開いた代表の宮嶋は、
放射線物理を学んだからこそ、本当に大切なものをみんなで追い続けているのだと、この震災を機に改めて知りました。

共働学舎新得農場は、土・草・牛・ミルク・チーズ・堆肥・野菜・人・動植物・虫・微生物・太陽・月・地球・星・水・木...など、自然における様々に循環する農業を行っています。

そして 私たちは、様々な人々に助けられて生きています。
地震後、学舎の食堂に集まり、被災された方々への支援の方法を話し合いました。
チーズは、“生もの”として扱われ、救援物資としては受け入れられないとの事でした。
野菜も、調理の手間がかかることと、生産量の不足により適いませんでした。
微力ではありますが、みんなで義援金を集め、町内でレトルト食品を購入し救援物資として届ける事としました。
各方面から集められた救援物資と一緒に運搬トラックへ載せ、被災地へ届けられました。

次に、震災の影響によりお届けする事の出来なくなった“さくら”を「さくらチーズチャリティー」とし、
地域を中心にお声を掛けさせて頂き、たくさんの方々のご協力のもと、
819個のチーズ代として預かりました協力金(245,956円)を全額 社会福祉協議会を通じて
被災地の皆様に義援金としてお送り致しました。 深く感謝申し上げます。
現在も、共働学舎新得農場内 “ミンタル”にて、支援のご協力をお願いして居ります。

今後、共働学舎新得農場が出来ることは、33年通じてやってきた循環農業を継続すること。
そして、この農場内で起こる“生命の循環”を、エネルギーと発酵微生物を中心に
様々な方法でお伝えすることだと感じています。
課題もたくさんあり、完璧ではありませんが、目標や目的意識を高く持ち、
自然との調和を考え、自然と共に生活しています。

私は、この農場へ来て二年が経ちました。
ここでの生活で、“豊か”であるという概念が変わりました。
みなさまは、この“豊か”というものを、これからどのように求めるのでしょうか。

私たちの暮らし方が、これからの世代への一つの提案であると考え、
今後も、共働学舎新得農場のホームページ等にて、私たちの日常をお届け致します。

これ以上の被害拡大を阻止し、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
そして、この震災を本当の教訓に、人々の意識が変わり、行動となりますように。

私には、1歳半のもう少しで言葉を喋りそうな息子がいます。
どうか、この子の未来の為にも・・・   teru

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